土曜日に神戸元町で「賃金について」の講習会がありました。元労働基準監督局長さんのお話です。テーマのメインは「定額残業代の問題点」です。
元労働基準監督局長さんのお話です。
定額残業代とは?
残業代(時間外労働の割増賃金)を一定額で支払うという賃金の支払い方法です。たとえば定額残業代を5万円と決めて、毎月残業代を5万円払うわけです。原則は残業代の最低保証額になりますので、5万円分残業しなくても、5万円支給されます。
問題なさそう、に聞こえますよね。
給料は、基本給、通勤手当、残業(時間外)手当というように支給されることが多いです。残業代は残業時間に応じて支払うのが普通です。時間給の25%アップにはなりますが。
定額残業代を使うのは、おそらく、見た目の給料をよく見せるのが目的だと思います。
A企業:基本給27万円、通勤手当、残業代別途支給
B会社:基本給30万円(ただし15時間の定額残業代含む)、通勤手当別途支給。
どちらが、給料よさそうにみえますか?
A企業で15時間残業すると、27万円÷170時間(1か月の所定労働時間)X1.25X15時間で、残業代3万円程度になります。
実質同じです。定額残業代は原則は、残業15時間しなくても支給すべきなので、A企業の方がいいかもしれません。
次に紹介あったのはこんな事例です。ここからが問題点です。
・基本給が14万円、成果給(定額残業代)13万円 で給料27万円。これで残業代は払いません という会社。
一見、給料27万円で普通に見えますが、13万円残業しようとすると、月に120時間以上残業しなくてはなりません。1日5時間以上ですね。残業代気にせず働かせられますね。これは明らかに見た目をよくするためです。裁判では敗訴。
・コピーライター等の広告代理店業界では月40時間程度の残業は基本給に含まれるのは一般的である、とか。これも裁判で負けてます。
結論として、定額残業制を用いる場合
・定額残業制、あるいは固定残業代等の名称で支給すること。営業手当とか職務手当は認めにくい。
・定額残業の分を金額あるいは時間数で明示すること。(月45時間が原則の限度)また給与明細では、実際の残業時間も明示すること。
が必要です。
posted by 自由の女神 at 09:13|
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